子ども自身の育つ力を信じてのびのびと遊び、ふれあった経験が人生を切りひらく力になる。

幼児期の子どもにとって「遊び」とは、それ自体に大きな意味をもつものです。まずは自分から何かに興味をもち、やってみること。すると「もっと面白くしたい」という気持ちが芽生える中で、自主性や自発性が育まれます。さらに「どうすればできるのだろう」と工夫する中で、イメージする力や創りだす力が育まれるのです。そのすべてが就学後の学ぶ意欲にもつながり、ゆくゆくは、自分の意志で人生を切りひらく力になる。当園では、そのような力を育む「遊び」の時間を、保育の中心に据えてきました。

ならびに心をすこやかに育むものとして、五感を育てる保育や健康な体をつくる自園給食にも積極的に取り組んでいます。また子どもたちには、たくさんの友だちと過ごす集団生活を通して、思いやりの心も学んでほしいと願っています。仲良く遊ぶことはもちろん、ケンカも、思いを伝え合う貴重な経験になる。もしも教師が仲裁に入る時には、自分たちで解決できるように導きます。異年齢の子どもたちがともに過ごす「縦割り保育」も、社会性を育む取り組みのひとつです。

そして、最も大切なことは、子ども一人ひとりが私たちに愛されていると感じてくれること。子どもにも個性があり、得意なことや好きな遊びはさまざまです。そこに気づいて、小さなことでも声をかけていくことで、子どもたちは自分が「かけがえのない大切な存在」であることを感じてくれるように思います。また、このような働きかけによって、子どもたちの間にも、友だちの個性を受けいれる感覚が育っています。そのまなざしの純粋さに、私たちが学ばされることも少なくありません。

READ MORE
CLOSE

五感を育てる

  • 意志・感情・思考をバランスよく育む「オイリュトミー」。講師の導きで、音や詩に合わせて体を心地よく動かします。1
  • 教師が語る季節のストーリーに合わせて体を動かす「ライゲン」。見る力・聞く力が育まれ、聞き慣れない言葉も動作とともに覚えます。2
  • 意「ストーリーテリング」のひとつ、テーブル劇。3
  • 赤・青・黄の絵の具を使い、色の混ざり合いを楽しむ「にじみ絵」。4
  • 思い描く形を繊細な部分まで表現できる「みつろう粘土」。5
  • 週に一度、絵本をご家庭にも貸し出しています。6
  • 自然や生き物とのふれあいも五感を育みます。7
  • 意自然や生き物とのふれあいも五感を育みます。8
  • ドイツから実習生を迎え、子どもたちが外国の言語や文化に興味を抱くきっかけにも。9
  • 1意志・感情・思考をバランスよく育む「オイリュトミー」。講師の導きで、音や詩に合わせて体を心地よく動かします。2教師が語る季節のストーリーに合わせて体を動かす「ライゲン」。見る力・聞く力が育まれ、聞き慣れない言葉も動作とともに覚えます。3「ストーリーテリング」のひとつ、テーブル劇。4赤・青・黄の絵の具を使い、色の混ざり合いを楽しむ「にじみ絵」。5思い描く形を繊細な部分まで表現できる「みつろう粘土」。6週に一度、絵本をご家庭にも貸し出しています。78自然や生き物とのふれあいも五感を育みます。9ドイツから実習生を迎え、子どもたちが外国の言語や文化に興味を抱くきっかけにも。

見る。聞く。肌で感じる。感覚を研ぎ澄ませて、想像の力を育てる。

幼児期に豊かな感性を育むことは、そのひとが自分らしさを十分に表現して、より輝いて生きるための大切な土台づくり。そのため当園では、創作や運動、お話などを通して子どもの五感に働きかける、さまざまな活動を取り入れています。その中でおのずと育まれる「見る力」や「聞く力」、「想像力」や「集中力」は、就学後の学習意欲にもつながる力です。

テーブル劇や素話などの「ストーリーテリング」は、聞く力・想像力を育むお話の時間。教師の語る言葉から、子どもたちは自分でイメージをふくらませて物語の世界を楽しみます。また、子どもは絵本を読んでもらうことも大好きです。当園には約2500冊の蔵書があり、貸出も実施。好きな絵本を通して、文字に興味を持ちはじめる子どもたちもいます。

創作活動では、その過程で子どもたちの内に生まれる純粋な感覚を大切にしています。濡らした紙の上に三原色の絵の具をすべらせる「にじみ絵」は、偶然に生まれる色彩の美しさ・不思議さを楽しむ、いわゆるお絵描きとは異なるもの。また手で温めて使う「みつろう粘土」は、香りや温もりを感じながら自分の世界に没頭できる、集中力も養われる活動です。

READ MORE
CLOSE

縦割り保育

きょうだいのように助け、助けられて育ち合う。

当園のクラス編成は、年少・年中・年長の子どもたちが同じお部屋で過ごす「縦割りクラス」です。約30年前からこのような保育を導入し、豊かな社会性を育むことを目的としてきました。年長さんが年少さんを優しく気づかう光景は、当園では珍しいものではありません。

入園したての年少さんを前に、年長さんは、自分という存在が求められていることを、ひしひしと感じています。また、年少さん・年中さんが年長さんに憧れを抱き、「同じことをしてみたい」「できるようになりたい」と自発的に思えるようになることも、これからの育ちに欠かせない大きな一歩です。

年長さんの下でたっぷり甘えた子どもたちは、いざ憧れの年長さんになると、見違えるほど頼もしくなります。その3年間の中で、子どもたちは甘えることも助けることも経験しながら、社会性を身につけていくのです。また年齢に応じた発達課題を見据えて、週1~2回、学年別の「横割り活動」も取り入れています。

READ MORE
CLOSE

お兄ちゃん・お姉ちゃんといつでも一緒

トイレに行くとき服を脱がなければならない年少さんに付き添い、その後、上靴を履かせてあげる年長さんの姿。新しいクラスに入ったばかりの年少さんも、すっかり安心した様子で体をゆだねています。

朝の登園後、年少さんの通園バッグからタオルや水筒などを出してあげる年長さんの女の子。こまめにお世話をしてくれるお姉ちゃんの隣で、年少さんの男の子はちょっぴり照れくさそうです。

1学期は、年長さんと年少さんでペアを組みます。

絵本の貸し出しが行われる「絵本回廊」へ年少さんを連れて行き、借り方を教えてあげる年長さん。回廊の階段を下りていく年少さんの手には絵本バッグ。自分で選んだ絵本が入っています。